2014年3月24日月曜日

播磨灘物語(3) 藤の花房

官兵衛は相変わらず牢に閉じ込められたままの状態にあり、茨木城、高槻城を傘下に収めた織田軍は、伊丹城(有岡城)の総攻撃を天正6年12月8日に行った。結局この有岡城の戦いはこのあと9ヶ月続く事になります。

藤の花房

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一方三木城に対する攻囲は以前と続いており、秀吉は三木城攻めだけではなく、信長のもとに行き荒木攻めの軍議に参加したりしていました。


また三木城攻めの本営である平井山においては、官兵衛の家来たちが守っていました。織田陣営には官兵衛に関わる風説が流れていて

  • 村重に殺された
  • まだ幽閉されている

ということ以外に、官兵衛が村重の謀将となり織田を滅ぼすべく謀略を練っているという風説は家来たちの心を痛めました。

この時別所方から羽柴陣営がいる平井山を攻めて、逆に羽柴軍から圧倒されてしまった平井山合戦がありましたが、別所の戦術戦略のまずさもあり、別所方は、三木城に再び籠もってしまいました。

更には伊丹周辺には、官兵衛子飼いの栗山善助、母里太兵衛、井上九郎次郎らが行商人などに変装して、主人官兵衛の消息を探していました。栗山は城の出入りを許されている銀屋道可と言うものの手引によって、城内の牢に入ることに成功し、そこでボロボロになっている官兵衛を発見し、遂に再会しました。

その後度々栗山は官兵衛を訪ねてきて、栗山の分かる範囲で荒木との戦況などを聞くことによって荒木の作戦が完全に破綻しているということがわかりました。


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