2014年6月9日月曜日

竜馬がゆく〈1〉朱行燈〜二十歳〜淫蕩

竜馬が黒船騒動から道場に帰ってくると、泥棒の寝待の藤兵衛が待っていて、竜馬に仇討ちの話を持ちかけてきました。つまり、藤兵衛が深川で買った娼婦が実は武家の娘で、その父が信夫左馬之助に殺されたので、その助太刀をしないかというものでした。(この登場人物はすべて司馬さんの創作です)



朱行燈

ここの項は、冒頭に書いた通り、司馬さんの創作で、後々信夫は竜馬を追っかけたりするきっかけにはなる仇討ち騒動でした。

二十歳


竜馬の身辺では黒船騒ぎがあったことから、鍛冶橋の藩邸から築地の下屋敷に竜馬ら若い藩士は映ることになり、桶町道場から遠くなりましたので、千葉重太郎の強い勧めもあり、桶町に住み込みということになりました。

その後竜馬は築地藩邸から品川藩邸に移り、家老の山田八右衛門から長州の相州にある陣地の評判が良いということなので、視察にを命じられました。ただ、そのまま行くというのも色々とあるので、長州と土佐の剣術試合をするという名目で、三浦半島の南端にある宮田村に向かい、剣術試合を行い、土佐の圧勝ということになりました。ここも司馬さんの創作ですね。桂小五郎を登場させるための布石の項です。


竜馬は、宮田村で剣術の試合の後、長州陣地を見るべく横須賀に向かい、そこで桂小五郎と出会います。僕はこの桂小五郎という人物が好きでして、晩年はかわいそうでしたが、彼があそこまで偉くなったのは彼ほど人物眼の確かな人はいないと思いますね。具体的には
  • 大村益次郎の発見
  • 伊藤博文の発見
です。大村益次郎なくして、戊辰戦争は語れませんし、伊藤博文なくして明治の政治史は語れません。本来武家ではないこの二人を見つけ出して、要職につけたのは桂小五郎であり、そのあたりの評価がないので、実に残念です。

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ここで、竜馬は桂小五郎と知り合い、長州陣地について教えてもらうことになりました。

淫蕩

この項も、本作にはやや無駄な項で、遊女の冴とのやりとりが結局千葉重太郎との30番勝負ということになり…云々というものです。